《努力逆転の法則》

 眠ろう、眠ろうと思っている間は眠れないのです。
 目が冴えて、眠れないのが不眠症。ドモリの人はドモらないようにすればする程ドモります。
 焦れば焦るほどダメになります。
 これを努力の逆転の法則といいます。努力すれば物ごとがよくならねばならないのに、悪くなってしまう。意識と無意識が対立して、努力逆転の法則が働く。意識しなければいい。
 アガったら、落着こうなど思わない方がよい。ほうっておくのが良い。不眠症の人は、どうでもなれと思えばよい。エエクソ、知るか!です。
 眠ろうという努力を放棄した時、スヤスヤとねむれるのです。
 ドモリの人は、うまく言おうなんて考えないこと、フロの中で鼻歌をうたっている時はドモらないのです。
 ドモりだからといって、鼻歌もドモルかというのとドモリません。意識した時にだめになってしまうのです。
 私たちの心の中に思い通りにならない大きなものがあります。
 自分が自分の思い通りになりません。
 思い通りになる人は人生の達人。思い通りにならないから苦しむのです。悩むのです。禅の高僧がナンデあんな山にこもって難行苦行にとりくむのか、宮本武蔵が骨身を削る剣の修行に励んだのか。
 全部あれは“己に勝つため”なのです。
 人生これほど至難な技はありません。これくらい難しいことはありません。全て自分の思う通りにならない。苦しむ。だから、解っちゃいるけど、止められない。
 プロ野球の解説者の野村克也さんは南海ホークス三冠王を取った人。キャッチャーを長いこと続け、監督にもなりました。
 西武ライオンズを引退した時、書いた本が「敵は我にあり」です。
 次は“敵は我にあり”の話をしましょう。