《脳の情報量―催眠》

 不思議なもので忘れた筈の情報が催眠によってどんどん出てきます。凄い情報装置です。皆さんのもっている心のメカニズム、心のカラクリ、神秘不可思議さを知って頂くために、私は、催眠の話をしようと思います。
 催眠というのは無意識層にメッセージを与えて、無意識層の働きをうながすことです。催眠状態でも意識ははっきりあります。何されるか分かったものじゃないという誤解がありますが、みんな解っています。
 意識はしっかりとあります。無意識層を動かされると、意識で逆らえば逆らうほど努力逆転の法則が動いて、ダメになります。言われた通りにならざるを得ない、それが、催眠の原理です。
 今から何年か前、奇術師の引田天功さんが、TVの民放の番組で催眠を使ってタレントを思いのままに扱いました。
 子供がそれを真似して催眠ゴッコをして問題になりました。けしからん、人の心をもてあそんでということになりました。
 こういったものではなく、日本の学術会議に登録されている、催眠に関するただ一つのアカデミックな学会があります。
 専門家の集まりである催眠療法についての学会、日本催眠医学心理学会といいます。正式な唯一の催眠に関する学会です。私もこの会の一員で催眠療法の体験をいやというほどしました。
 催眠のカリキュラムは理論と実技で二年間あり、実技も一年間とても鍛えられます。
 人間の心を扱うので、面白半分にやるようなものではなく、きわめて厳しいのです。
 催眠療法は医者の立ち会いがないとだめです。それに違反したら、即座に除名です。他者催眠は勝手にやってはなりません。
ただし自己催眠ならやってもよいということです。