《感覚支配の治療》

 感覚支配という。感覚がいわれた通りになる。例えば、血がダラダラ流れていても痛くないといわれたらイタくない。気持がよいといわれたらイイ。
 長崎のある歯医者さんでたまに催眠を使う人がいます。信頼関係のある患者さんのみに使います。その歯医者さんは、患者さんを寝台の上に寝かせます。催眠させて力一杯ツネります。アッ、イタタッというのに、気持がよいでしょう?“ええ”というわけです。
 いわれた通りになります。感覚支配まで行っているのを確認します。
 意識はありますので、「口をアーンと開けて」「今から虫歯を抜きますがとても気持ちいいですねー、いいですねー」といって虫歯を抜いてしまうのです。
 チクッとしても気持ちがよいと言われれば気持がよい。痛くないのです。
 感覚支配は言われた通りになります。「お酒をつぎますよ。」「はいコップを持ちました。」「しょうちゅうを一杯にいれました。」「だんだん酔いがまわってきた。」「そーら酔ってきた。」いわれた通りになる。
 一滴も飲まないのにぐでんぐでんになる。こんな安上がりな方法はありません。飲まなくても酔うのです。これを感覚支配といいます。